研究データ・学術論文
Research data
肺ガン発症モデルマウスによる試験(in vivo)
ヒト変異型EGFRを発現するトランスジェニックマウス(モデルマウス)を作製し、このモデルマウスに肺ガンを発症させた。
モデルマウスにCP-101を2%含有した餌を6週間与えた群を「F2」、抽出物を含有していない餌を6週間与えた群を「NF」とした。
6週間後に肺組織を摘出し、PD-L1、PD-L2及びCTLA4のmRNAの発現を調べた。数値はグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の発現に対する比として示した。
その結果、図1と図2と図3に示すように、ヒメマツタケ亜臨界水抽出物を含有した餌を与えたモデルマウス群「F2」の方が、PD-L1、PD-L2及びCTLA4の発現がともに低下していたことで、免疫チェックポイント阻害作用が認められた(数値は試験結果の平均値)
ヒト肺ガン細胞株の
培養細胞による試験(in vitro)
培養用プレート上に最終濃度10~200μg/mlとなるようにヒメマツタケ亜臨界水抽出物「F2」を添加し、ヒト肺ガン細胞株A549を24時間培養し、ヒト肺ガン細胞株A549の細胞増殖に対するヒメマツタケ亜臨界水抽出物の阻害効果を評価した。
その結果、下図4に示すように、添加したヒメマツタケ亜臨界水抽出物「F2」の濃度に依存して、ヒト肺ガン細胞株A549の増殖が阻害された。
また培養用プレート上に最終濃度20μg/mlになるようにヒメマツタケ亜臨界水抽出物「F2」を添加し、ヒト肺ガン細胞株A549を24時間培養して、培養後にヒト肺ガン細胞株A549を取り出してPD-L1及びPD-L2のmRNAの発現を調べた。比較数値はグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の発現に対する比として示した。
その結果、図5と図6に示すように、PD-L1及びPD-L2の発現がともに低下していたことで、免疫チェックポイント阻害作用が認められた。
ヒメマツタケ抽出液濃度による樹状細胞活性への影響
ヒメマツタケ抽出物は、樹状細胞に作用し、CD80、CD86を介して、IL-12 やIFN-γの産生を促し、T細胞を活性化します。
樹状細胞を活性化することで、ガンを攻撃するなどの抗腫瘍作用が発揮されます。
そしてこの作用はヒメマツタケ抽出物の濃度に依存して強まります。
免疫チェックポイント阻害と
免疫力強化による相乗効果
(炭プラスラボ者による研究データ)
ササクレヒトヨタケ(学名:コプリヌス・コマトゥス)は、かさ先端に丸みを帯びた円筒形を呈するキノコの一種です。
そしてクリスパタス菌は、出産時の母親の産道を経由して乳幼児の腸内に受け継がれる腸内菌です。
ヒメマツタケ亜臨界水抽出物とササクレヒトヨタケとクリスパタス菌の混合物は免疫力を大幅に強化するというデータが出ました。
従ってヒメマツタケ亜臨界水抽出物、ササクレヒトヨタケ、クリスパタス菌の3種を摂取することで、免疫細胞の「ガン細胞からの防御力」と「ガン細胞への強化された攻撃力」の両方が兼ね備えられることになり、大きな相乗効果が期待できます(下図参照)。
学術報告
2015年
第44回 日本免疫学会総会
A polysaccharide (Priton-FD) from Agaricus blazei Murrill promotes the maturation of dendritic cells
ヒメマツタケ多糖体(プリトンFD)による樹状細胞の熟成化
HINNEH Josephine Ataal(三重大学大学院医学系研究科免疫学研究室)、原田栄津子(岩出菌学研究所)、他
2016年
第45回 日本免疫学会総会
Agaricus blazei Murrill extract inhibits the expression of immune checkpoints in lung cancer mouse model
ヒメマツタケ抽出液の肺癌モデルマウスでの免疫チェックポイント分子発現に対する抑制効果
原田栄津子(三重大学大学院医学系研究科免疫学研究室・岩出菌学研究所)、他
2017年
第46回 日本免疫学会総会
Agaricus blazei Murrill extract inhibits the expression of immune checkpoints in lung cancer cell
原田栄津子(三重大学大学院医学系研究科免疫学研究室・岩出菌学研究所)、他
2019年
Asian Mycological Congress 2019 (アジア菌学会)
Analysis of bacterial community structure for evaluating maturation of compost for Agaricus blazei Murrill cultivation
多田直人(岩出菌学研究所)
Extracts from Agaricus blazei Murrill suppress the expression of immune checkpoint molecules in cancer cells
小堀一(岩出菌学研究所)
第48回 日本免疫学会総会
Evaluating the immunomodulatory activity of the edible mushroom Agaricus blazei Murrill
井上亮(三重大学大学院医学系研究科免疫学研究室)、他
第60回 日本肺癌学会学術集会
EGFR遺伝子変異陽性肺がんモデルマウスに対するヒメマツタケの免疫系への関与
藤原研太郎(松阪市民病院呼吸器センター)、他
EGFR遺伝子変異陽性肺がんモデルマウスにおける腫瘍形成メカニズムの解明
藤原拓海(三重大学医学部附属病院呼吸器内科)、他
2020年
日本農芸化学会2020
ヒメマツタケ抽出残渣由来の抽出液が有する免疫チェックポイント阻害活性
English title : Immune checkpoint inhibitory activity of the extract from Agaricus blazei Murrill extract residue
小堀一(岩出菌学研究所)
2021年
Journal of Fungi
Subcritical Water Extracts from Agaricus blazei Murrill’s Mycelium Inhibit the Expression of Immune Checkpoint Molecules and Axl receptor
安間太郎(三重大学大学院医学系研究科免疫学研究室)、他
New Food Industry
長寿遺伝子関連蛋白発現度に食用キノコ抽出物が及ぼす影響
―末梢血単核細胞に発現するsirtuin2濃度の刑事的変化
遊道和雄(聖マリアンナ医科大学)、他
第50回 日本免疫学会総会
Subcritical water extracts from Agaricus blazei Murrill’s mycelia and fruiting bodies Inhibit the expression of immune checkpoint molecules and Axl receptor
小堀一(岩出菌学研究所)、他
2022年
日本農芸化学会2022
ヒメマツタケAgaricus blazei菌糸体由来の生物活性物質の探索
呉静(静岡大学グリーン科学技術研究所)、他
第25回 日本きのこ学会
ヒメマツタケAgaricus blazei菌糸体由来の生物活性物質の探索
王俊紅(静岡大学創造科学技術大学院)、他
2023年
日本農芸化学会2023
ヒメマツタケ菌糸体由来の免疫チェックポイント阻害活性および樹状細胞活性化作用を有するグルカン多糖体
小堀一(岩出菌学研究所)、他
第26回 日本きのこ学会
ヒメマツタケ菌糸体由来の免疫チェックポイント阻害活性および樹状細胞活性化作用を有するグルカン多糖体
小堀一(岩出菌学研究所)、他
特許関連 |
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・特許第6292657号 |
樹状細胞活性化剤 |
・特許第7141630号 |
免疫チェックポイント阻害機能を有する抗癌剤耐性抑制剤 |
*特許申請中 |
・特願 2022-091672 (特開 2022-187488) |
ヒメマツタケ菌糸体亜臨界水抽出物の製造方法 |
過去の特許取得など |
・肝機能改善剤(子実体・菌糸体) 特許第1802776号、特許第1802777号 |
・エイズ患者の経口治療剤 |
2000年 米国 U.S.P 6120772 |
2003年 EU5か国(英 独 仏 伊 瑞)E.P 1002541 |
2004年 日本 特許第3524145号 |